ボーンを設定することで、キャラクターにポーズをつけさせることが出来ます。
このチュートリアルでは、左図のようなサンプルファイルを用いて、ボーンを設定し、右図のようにポーズを変えてみます。
※チュートリアルで使用するサンプルデータは、Metasequoiaの「サンプルモデル」内に収録されています。
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サンプルファイル (bone_sample.mqoz) |
完成図 (bone_finished.mqoz) |
編集モードを[モデリング(文字)]にして作業します。もちろん[モデリング(アイコン)]でも同じ操作が可能です。
コマンドの[ボーン]をクリックして下さい。ボーンパネルが開きます。
ボーンを作っていきましょう。ボーンパネルで[リギング]、ボーンの[追加]が選ばれていることを確認します。これで、新規ボーンを作っていくことが出来ます。
まず、背骨付近のボーンを作っていきます。スタートは体の中心部分になります。[中心に移動]にチェックを入れてから、ドラッグするとボーンが作成されます。出来上がったボーンの先端のノードからさらにドラッグすると、先に作ったボーンに繋がるように新しいボーンが作成されます。これを繰り返して、下図のように頭までボーンを作っていきましょう。
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次に、最初のスタート地点からしっぽまでボーンを延ばします。
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[中心に移動]にチェックを入れているので、ボーンはおおむね体の中心を通っていますが、念のため、正確に中心(X=0)を通るようにします。
ボーンパネルの[X=0]をクリックします。体の中心を通るボーンのノードを1個ずつクリックします。これで、ボーンの位置がX=0に修正されました。
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ノードをクリック | ボーンがX=0の位置に移動 |
次は足のボーンを作成していきます。向かって右側だけ作ります。ボーンパネルで再び、[追加]をクリックして下さい。
最初に作った体のボーンのスタート位置から、ドラッグしてボーンを延ばしていきます。ボーンは三角錐のような形をしていますが、この三角錐の先端の位置が関節になると考えてボーンを配置していきます。ここでは、足の付け根、膝、足首、足の指の付け根に関節が来るようにしています。
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上手く配置できなかった場合は[移動]を選択し、ボーンをドラッグして修正します。
足は左右対称なので、ミラーリングします。
ボーンパネルから[ボーンリスト]をクリックして、ボーンリストを表示させます。
Shiftキーを押しながら、腰からつま先までのボーンのノードをクリックしてください。3D画面上で選択したノードがボーンリストでも選択された状態になります。
選択したノードを、リスト上で右クリックして下さい。表示されたメニューから[ミラー]を選択します。
これで、足のボーンがミラーリングされました。
次は手のボーンを作成します。手は、[追加]で背中のボーンから伸ばしていきます。
手首から指先は、関節が多いのでボーンが多くなります。
今回はデフォルメキャラなので、指は根元と中間の2カ所で曲がるようにボーンを入れました。リアル系の人型キャラクターであれば3カ所曲がることになるので、さらにボーンは増えます。注意して配置しましょう。
手も、左右対称なのでミラーリングします。足の時と手順は同じです。
Shiftキーを押しながら、肩から指先まですべてのボーンをクリックして選択状態にします。ボーンリスト上で右クリックして、開いたメニューの中から[ミラー]を選択します。
ボーンの配置はこれで終わりです。余力があれば、頭から耳までボーンを伸ばして、耳も動くようにしても良いでしょう。
ミラーリングで作った、向かって左側の手足のボーンを実体化させましょう。
ボーンリスト下部のメニューから、[ミラーをフリーズ]をクリックします。
向かって左側の手足のボーンが実体化しました。
次は、それぞれのボーンが、どのくらいの影響を与えるかを設定していきます。
[スキン設定]をクリックしましょう。スキン設定のサブパネルが開きます。
ボーンの影響を与えたくないオブジェクトがあればチェックを外しますが、今回は[全選択]ですべてのオブジェクトを対象にします。
また、スキニングは[デュアルクオータニオン]を選びました。ボーンでオブジェクトを曲げたときの変形の仕方が[リニア]とは若干異なります。好みもあると思いますが、キャラクターは[デュアルクオータニオン]のほうが良いように思います。
これで、[OK]を押すと自動で影響値が設定されます。
ボーンを動かして確認してみましょう。
まず、頭を動かしてみます。
[スキニング]が選択されていることを確認して、[移動]を選んで下さい。
頭にある一番上のノードを横へドラッグして動かします。すると、ボーンの動きに合わせてキャラクターも変形します。
頭部ボーンの動きに連動してキャラクターが首を傾げます。しかし、頭の動きに服まで連動するなど、意図せぬ変形が起きることもあります(上図)。このような場合はウェイトの修正が必要です。
オブジェクトパネルで、服のオブジェクト(body)を選んでください。
[ペイント]から[ボーン選択]を選び、頭部ボーンの根本のノードをクリックして選択します。
[ペイント]タブでは選択されたボーンのウェイト値が色分けして表示されます。青い部分はボーンからのウェイト値がゼロで、ボーンの動きに影響を受けませんが、緑~赤の部分はボーンの動きに連動します。
上図の場合、服は頭の動きに連動させたくないので、全て青色(ウェイト値ゼロ)になるように修正する必要があります。
[ブラシ]を選択します。
[ウェイト]のスライダーを0まで下げて、青のブラシにします。このブラシで修正したい部分をドラッグして、色を塗るように調整していきます。
必要に応じて服以外のオブジェクトを非表示にしながら、ウェイトを塗り替えます。
[ボーン]タブに戻り、[移動]でボーンを動かして確認します。頭の動きに服が連動しないようになりました。
このように、[ボーン]タブでオブジェクトを実際に動かしながら、[ペイント]タブで細部のウェイトを調整していく必要があります。
腕のボーンを動かしてみます。
[スキニング]で[ボーン]の[移動]を選び、両腕のボーンをそれぞれ移動させてみます。両腕どちらも同じように歪んでしまっています。(下図)
モデルが左右対称な場合、[鏡面複製]を利用すると修正の手間を減らすことができます。
[オブジェクトパネル]でシャツのオブジェクトを選択します。それから、[ペイント]の[ボーン選択]で右腕のボーンを選択し、[ブラシ]にします。
シャツの袖部分が腕ボーンに合わせて変形するように、ウェイトを塗っていきます。
同様に、他のボーンも動かしてみて、確認しましょう。ウェイトの修正はすべて向かって右側のみ行ってください。
右半分のウェイト調整が終わったら、ウェイトの修正を左側にも反映します。
修正のために動かしたボーンの位置をデフォルトに戻しておきます。
[ボーン]の[全デフォルト]をクリックすると、ボーンがデフォルトの状態に戻ります。
[鏡面複製]をクリックします。
開いたサブパネルで設定していきます。
今回は向かって右側を、向かって左側に反映させるので[方向]は[正から負]、[対称]は[X]にチェックを入れます。すべてのオブジェクトに修正を反映させたいので、[全選択]をクリックして、[OK]を押します。
これで、右側の修正が左側にも反映されて、左右対称の状態になりました。
試しに向かって左側の腕を動かしてみましょう。[スキニング]>[ボーン]の[移動]で、左側の腕のボーンをドラッグしてみてください。右側に行ったウェイト修正が反映されていることが確認できます。
確認が終わったら[全デフォルト]をクリックして元の状態に戻しておきましょう。
では、最後にこのキャラクターにポーズをつけましょう。[スキニング]>[ボーン]で作業します。
背骨のボーンをクリックして選択します。[回転]をクリックして、ハンドルの緑色の帯の部分をドラッグし、体をひねります。
次は顔の部分にあるボーンを選択し、[回転]で胴と反対側に顔をひねります。
右足を上げます。膝のボーンの先端を[移動]で上にドラッグします。
左足は後ろに下げます。[移動]で膝のボーンの先端を後ろにドラッグします。
腕のポーズをつけましょう。肘のボーンの先端を[移動]でドラッグします。左腕は前に、右腕は後ろになるようにします。
手首のボーンの先端を移動させ、軽く肘を曲げます。
手首も軽く曲げます。図のように[移動]でドラッグします。
同様に指も軽く曲げておくと自然に見えます。
同様にして、全体のバランスを見ながら[移動]や[回転]を使ってポーズをつけていきます。
ポーズをつけ終わったら、[変形を適用]をクリックします。
現れたメッセージの[OK]をクリックしましょう。
オブジェクトパネルを確認してください。新しくobj1が生成されています。これが変形後のオブジェクトです。
必要に応じて、元のオブジェクトを非表示にしたり、削除したりして下さい。これで完成です。